動物に対する恐怖症のパターンは数多く存在し、総合すると高所恐怖症と雷恐怖症と並ぶ三大恐怖症の一つである動物恐怖症とされ、犬恐怖症は動物恐怖症の一例として考えられています。
ペットとして猫と人気を二分する犬に恐怖を感じる理由はどういったものでしょうか。
このページでは犬恐怖症の原因や症状、克服法について詳しく解説していきます。
犬恐怖症とは?
悩む人の多さ:★★★☆☆
生活密着度 :★★★★☆
克服可能度 :★★☆☆☆
総合危険度 :★★★☆☆
犬は猫と並んでペットとしての人気が高く、アンケートによると日本人の約47%が犬派、約34%が猫派だという事が分かっています。
残りの19%と猫派を合わせた約53%が犬恐怖症にかかる恐れがあると考えると決して無視できない数字です。
もちろんこれは可能性としての概算ですが、犬恐怖症は動物恐怖症の中でも決して珍しいものではありません。
動物恐怖症として他に多いのは猫恐怖症やネズミ恐怖症、馬恐怖症などが挙げられますが、少数派の動物を含めるとその種類は枚挙にいとまがないと言えるでしょう。
英語ではCynophobiaと表記され、世界中で研究の対象となっています。現在の先進国では野良犬や放し飼いの犬は少ないものの症状によっては生活密着度が高いと言え、完全克服する事は比較的難しく、基本的には日常生活に支障のないレベルにまで軽減させる事が治療の目的となります。
犬恐怖症の原因と症状
過去に犬に咬まれたり威嚇された事によるトラウマ体験がPTSD(心的外傷後ストレス障害)となるケースも多く見られますが、そういった経験がなくても犬に恐怖を感じるケースもあります。
犬の行動が読めない事や狼を連想してしまう例が多く、小型犬なら問題なかったり、逆に子犬でも恐怖を感じたり、犬の大きさだけでなく目の色によって症状を表す人もいます。
基本的には人間として動物を警戒するという本能が起因している事が多く、警戒心の強い人によく見られる事が明らかになっています。
症状としては硬直や頭痛、吐き気などがあり、重症時は嘔吐やパニック発作にまで至る例も報告されています。
犬恐怖症への対処、克服法や注意点
幼少期で犬恐怖症の症状が見られる場合は年齢を重ねると共に思春期を過ぎると自然と克服できているケースが多く、治療をするかは医師の判断によります。
治療に薬物を使う事は非常に稀で、基本的には認知行動療法が第一候補となります。
主に系統的脱感作法や認知再構成法などの技法が組み合わされ、治療の後期では実際に犬に触れても何も起こらない事を確認する曝露療法(エクスポージャ法)が使われる事もあります。
自分自身や周りが治療を行う事は厳禁で、逆に症状の悪化を招くリスクがある事から、必ず周囲の理解と協力を得た上で医療機関で治療する事が推奨されています。
まとめ
犬恐怖症は愛好家からすると理解できない部分があるか知れませんが、世界中で見られる限局性恐怖症です。
完全克服は難しいかも知れませんが、家族や周囲のサポートを得て、医師やカウンセラーの指導の下で治療に取り組む事で大きく軽減できる可能性があります。
あなたが犬恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。