ガスボンベ等のガスが詰まった容器は扱いを間違えると大きな事故に繋がりかねません。

 

そのため注意する事が必要なのは当然ですが、恐怖症の症状が出る場合は詳しく調べた方が良いかも知れません。

 

程度によりますが、医療機関での治療が勧められるケースもあります。このページではガスボンベ恐怖症の原因や症状、克服法について紹介していきます。

 

 

ガスボンベ恐怖症とは?

 

悩む人の多さ:★☆☆☆☆

生活密着度 :★★★☆☆

克服可能度 :★★☆☆☆

総合危険度 :★★★☆☆

(各評価指数について)

 

以前は稀な恐怖症だと言われていましたが、年々ガスボンベに恐怖を感じる人が増えているという報告がされています。

 

プライベートでガスボンベを避けて生活する事は容易ですが、社交の場では避けられない時もあるので注意が必要です。

 

完全に克服できる可能性は比較的少なく、基本的には軽減を目指した治療となる事がほとんどです。

 

 

ガスボンベ恐怖症の原因と症状

 

似たような恐怖症として爆発恐怖症がまず挙げられますが、別の恐怖症とされていますので混同しないように注意が必要です。

 

恐怖の対象として特にカセットボンベに対して恐怖を感じる人が多いようですが、プロパンのガスボンベスプレー缶も対象になるケースも確認されています。

 

ほとんどの場合、爆発する事を想像してしまう事で予期不安が発生するのが原因で、限局性恐怖症の原因としては完全克服が難しい部類に当てはまります。

 

主な症状は多量の発汗や震え、吐き気や嘔吐があり、重症時にはパニック発作の可能性も心配されています。

 

軽度の場合は症状に気付く事ができず、スプレー缶恐怖症や鍋恐怖症会食恐怖症を併発する恐れがあり、場合によっては引きこもりの原因になる事すら考えられます。

 

 

実際にガスボンベ恐怖症に悩む人へのインタビュー

 

(S.Kさん 44歳 男性)

Q. ガスボンベに初めて恐怖心を抱いた時を覚えていますか?

A. 小学生の頃に田舎の祖父母の家へ遊びに行った時、家の裏に大きなプロパンガスのボンベがあったんです。その時に初めて怖いと思ったのを覚えています。あんな大きなボンベがあると爆発するのではないかと思って心配しました。

 

Q. 他にはどのようなものに恐怖を感じますか?

A. カセットコンロ用のボンベも触ったり近づくのが怖く感じます。スプレー缶や酸素ボンベも嫌ですね。中身が空でも少し怖いです。

 

Q. 実際に困ったエピソードを教えて下さい。

A. 先日ゴルフに行った時の昼食で鍋焼きうどんを注文しました。てっきり木のお皿に乗って出てくるものだとメニューの画像からも思っていたのですが、なんとカセットコンロに乗せるタイプだったんですね。

すぐにカセットコンロだけ下げてもらったんですけど、周りからは怪訝な顔をされました。午後のスコアもボロボロでした(笑)。

また、会社の慰安旅行でダイビングをする事になって、当然私は船に同乗するだけでダイビングはしなかったのですが、行き帰りの時に船の上で酸素ボンベ同士がカチカチとぶつかるのにとても恐怖を感じました。

船の上だったのもあり、パニックになりそうでした。あとはい家でハエやゴキブリが出た時、それよりも殺虫剤のスプレー缶の方が怖かったですね。

あとは会社の会食などもありますが、忘年会では鍋料理を避けたりカセットコンロを使わない設備のある店を選ぶ必要があるので、私が毎年幹事をするハメになっています。

家族や会社にも打ち明けていないので、猫舌だったり泳ぐのが苦手だったり、虫が怖いと思われていますが、実はボンベや缶の方が怖いんです。

 

Q. 実際の症状を教えて下さい。

A. ボンベと一緒に船の上にいる事は稀ですが、逃げ場がない時は本当にパニックになりそうです。いきなり目の前に出てきた時はビックリしてしまい、そのあと動悸が続きます。遠くに見えるときでもそわそわしますし、怖いけれども気になってしまうので見続けてしまい、緊張で喉が渇いたり汗がたくさん出ます。

 

 

この方はガスボンベだけでなくカセットボンベやスプレー缶にも反応し、症状は重い方ではないでしょうか。他の恐怖症を併発する前に軽減できる事を祈っています。

 

 

ガスボンベ恐怖症への対処、克服法や注意点

 

インタビューでもあったように、症状が重くなると会食恐怖症や鍋恐怖症などを合併する危険性があり、早期の治療が望まれます。

 

まずは周囲や家族に打ち明け、理解と協力を得る事が克服や軽減に向けた第一歩です。

 

その上で医療機関で受診し、医師の判断をあおぐようにしてください。治療法には認知行動療法が主に使われ、よほどの重症でない限り投薬治療は選択されないでしょう。

 

実際にガスボンベ等の恐怖の対象物に触れ、何も起こらない事を確認するという曝露療法(エクスポージャ法)が有効とされます。

 

症状によっては認知再構成法(コラム法)が組み合わされる事もあるようです。しかし独自の治療法で治そうとするのは危険で、重症化の恐れすらある事が指摘されています。

 

(各恐怖症に有効な治療法の一覧)

 

 

まとめ

 

ガスボンベ恐怖症はなかなか完全克服がしにくく、日常生活に支障が出ない程度にまで軽減させるのが治療のセオリーです。

 

意外と避ける事ができないという側面もある事から、周りの助けを借りながらでも治療を始める事が勧められています。

 

治療にあたっては必ず医師やカウンセラーの指導の下で進めることが絶対条件になる事も忘れてはなりません。

 

 

あなたがガスボンベ恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。