外食に行くと違和感を感じたり会話が進まなかったりするのが重症化すると会食恐怖症と診断され、限局性恐怖症としての症状が表れるのが特徴です。
「外食恐怖症」「会食会話恐怖症」「会食不能症」とも呼ばれ、対人恐怖症の一種と考えられています。
このページでは会食恐怖症の原因や症状、克服法について詳しく解説していきます。
会食恐怖症とは?
悩む人の多さ:★★★☆☆
生活密着度 :★★★★☆
克服可能度 :★★☆☆☆
総合危険度 :★★★★☆
会食恐怖症に悩む人の数は中程度ですが、対人恐怖症や類似した恐怖症を含めるとメジャーな部類に入ります。
会食や外食を避けて生活する事はある程度可能かも知れませんが根本的な解決にはならず、症状が悪化するリスクが高まると言われています。
社会生活において完全に会食を排除する事は困難で、仕事や生活に支障をきたす事は間違いないでしょう。
原因によっては克服が難しく、基本的には社会生活に支障がない程度にまで軽減させる事が治療の目的となるケースが多いようです。
社交恐怖症や給食恐怖症との関連が強く疑われており、併発や合併のリスク等のテーマが研究の対象にもなっています。
会食恐怖症の原因と症状
恐怖の対象となる状況は十人十色で、家族となら食事ができるケースや仲の良い友人までなら大丈夫な例が多い中、会社や取引先、初めて会う人との会食や飲み会に対して症状を表す例が圧倒的に多い事が分かっています。
また、自宅、レストラン、野外など場所が関係するケースや会食する人数によって症状が出ない場合もあります。
食事恐怖症と同義ともされていましたが現在では否定されており、別の恐怖症として認識されています。
根本的な原因は育った環境にある事が多く、保護者の接し方や普段の対応が原因となっているという説が支持されています。
幼少期から「孤食」が多く、会話をしながら食事をする経験が少ない事が原因とも言われていますが、根拠に乏しい事から単なる偏見であるという意見が大多数です。
しかし会食恐怖症の原因でなくとも要因となっている可能性は拭いきれず、原因の特定は未だ手探りの状態が続いています。
主な症状としては吐き気やめまいが多く、嘔吐に至る例も多く報告されています。
会食恐怖症への対処、克服法や注意点
症状によっては不安神経症や自律神経失調症と診断される事もありますが、治療には認知行動療法が第一候補となり、特に実際に会食してみて何も起こらない事を確認する曝露療法(エクスポージャ法)が効果的とされ、必要に応じて認知再構成法や系統的脱感作法などの技法が組み合わされて試されます。
会食や外食を避ける事は得策とは言えず、飲み物だけ一緒に飲んでみたり、ハイキングに行ってお弁当を食べるなど、段階的に試す中で徐々に軽減させるのがベストな治療法だと言えます。
重症時でも薬物治療は極力避けられる傾向にあり、身体的依存や心理的依存が強く表れるリスクが高い事がその原因です。
治療は医療機関で行う事が望ましく、独自での治療の結果、症状の悪化、人間関係の悪化だけでなく引きこもりの原因となったというケースが後を絶たず、死活問題にまで発展してしまう事が問題視されています。
また最近では催眠療法(ヒプノセラピー)による治療が注目を集めていますが、研究結果としてのエビデンスが不十分で、確実な有効性があるかは疑問視されています。
まとめ
会食恐怖症はシーンや相手、人数にもよりますが、食事をしながら会話をする事ができないようになり、限局性恐怖症としての症状が表れるという恐怖症です。
会食や外食を避ける事は根本的な解決にはならず、症状によっては治療が必要です。必ず家族や周囲の理解と協力を得た上で、医師やカウンセラーの下で治療に取り組む事が推奨されています。
あなたが会食恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。