給食と聞けば皆で一緒に楽しく食事をとる楽しみを想像するものですが、給食に対する恐怖は近年認められ始めた限局性恐怖症のひとつで、現代ならではの原因があり、他の恐怖症との関連が疑われるようになりました。

 

原因は大きく分けて3つのカテゴリーがあり、医師側にとっても正確な診断が求められ、様々な面からの研究が進んでいます。

 

このページでは給食恐怖症について詳しく解説していきます。

 

 

給食恐怖症とは?

 

悩む人の多さ:★★★☆☆

生活密着度 :★★★★☆

克服可能度 :★★★☆☆

総合危険度 :★★★★☆

(各評価指数について)

 

全てのカテゴリーを含めると、給食恐怖症に悩む人の数は中程度とされていますが、原因によっては生活密着度が高く、危険を伴うケースも報告されています。

 

原因がしっかりと特定できれば完全克服への可能性も高まり、初期段階での対処が明暗を分ける事が分かっています。

 

 

給食恐怖症の原因と症状

 

前述の通り給食恐怖症は3つのカテゴリーに分かれ、正確に診断する事が求められています。

 

症状は共通する部分が多く、硬直や発汗、心拍の乱れ、吐き気などがあり、重症時になると不安障害やパニック障害に近い症状を伴い、想像しただけで嘔吐やパニック発作に至る例も確認されています。

 

病院食が対象となるケース

このケースでは、過去に入院をした際に病院食の味気なさや独特の臭いや雰囲気が恐怖となった例です。

 

特に長期入院や複数回入院した経験がある人に多い事で知られ、体調が悪くても病院へ行きたがらなくなり、周囲を困らせる事が問題視されています。

 

また他の色々なものも恐怖の対象になりやすくなってしまい、恐怖症恐怖症を合併したという例も見られます。

 

ハラスメントが原因となるケース

このケースは近年になって確実な根拠が示されるようになり、親や教師、医師、研究者からも注目されるようになりました。

 

完食を強要する「給食ハラスメント」がトラウマ体験となり、給食を食べる事に強い恐怖を感じてイップスのような症状が出るのも特徴的です。

 

幼少期に起きた給食ハラスメントが大人になって会食恐怖症として残る例も多くあり、深刻な恐怖症である事が改めて意識されるようになっています。

 

特に幼い時期から続くと対人恐怖症や自律神経失調症を伴い引きこもりの原因となる危険性が指摘されています。

 

その他のケース

上記の2つに当てはまらない例として、皆で同じものを食べる事に違和感を持つケースや食べているところを人に見られたり、食べながら話す事に嫌悪を抱くケースがあります。

 

特にこれと言った心当たりがないという例もあり、給食を食べたくないがために定時制の学校に転入するなど、周囲に相談をせずに色々な決断をしてしまう事もあります。

 

 

給食恐怖症への対処、克服法や注意点

 

原因によって対処法や治療法は変わりますが、家族や周囲が理解してくれない事が症状に拍車をかけているという現実は無視できません。

 

まずは家族とよく相談して協力体制を作った上で医療機関を受診する事が強く推奨されます。

 

治療には薬物療法が優先される事もしばしばありますが、症状が落ち着いてくると認知行動療法が取り入れられるケースが多い系統的脱感作法などが候補にあがります。

 

催眠療法(ヒプノセラピー)の効果を検証する医師もおり、限局性恐怖症として認められてはいますが治療方法はまだまだ確立されておらず、手探りの状態が続いています。

(各恐怖症に有効な治療法の一覧)

 

 

まとめ

 

給食恐怖症は近年において相談に来る親が爆発的に増えていて、社会問題にまでなっている恐怖症です。

 

改めてその危険性や問題が懸念されており、治療法の研究も急ピッチで進められています。

 

治療にあたっては家族や周囲の理解を十分に得た上で医師やカウンセラーの下で取り組む事が前提で、医師側にとっても計画的なアプローチと正確な診断が求められています。

 

あなたが給食恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。