当サイトでは色々な限局性恐怖症を紹介してきましたが、近年では恐怖症に対する恐怖症である「恐怖症恐怖症」という症例も確認されているようです。
英語ではPhobophobiaと表記され、様々な研究の成果により恐怖症恐怖症の全貌が分かりつつあります。
このページでは恐怖症恐怖症の原因や症状、克服法を詳しく解説していきます。
恐怖症恐怖症とは?
悩む人の多さ:★★☆☆☆
生活密着度 :★★★☆☆
克服可能度 :★★☆☆☆
総合危険度 :★★★★☆
恐怖症恐怖症に悩む人の多さは少ないとされていますが、潜在的な患者数は多いと言われており実際は予備軍を含めると未知数であると唱える研究者もいます。
生活密着度も未知数ですが性格が起因する例では完全克服は比較的難しいとされ、それに伴って総合危険度も高いとされています。
徐々に明らかになりつつあるものの全容は未だ解明されていませんが、強迫性障害や対人恐怖症と強い関わりがある事が確実視されています。
1933年3月4日に行われたアメリカ合衆国の32代目大統領であるフランクリン・ルーズベルトの第一回大統領就任演説で「我々が恐怖すべきことはただ1つ、恐怖そのものなのである」という言葉で出ており、恐怖に対する恐怖という概念はこの頃に認められるようになったと言われています。
その後、1983年には恐怖症恐怖症(Phobophobia)という言葉が実際に専門書で見られるようになり、誘発性不安症状という紹介のされ方をしています。
誘発性が高いという事は他の恐怖症を併発する危険性が高く、当時からその高い危険性は指摘されていたようです。
恐怖症恐怖症の原因と症状
恐怖症恐怖症の特徴として、パニックとまではいかなくてもイレギュラーな出来事に対して混乱しやすい人が陥りやすい傾向である事が分かっています。
また予期不安が強く出がちな性格の場合も注意が必要で、不安障害と診断されるケースもあります。
自分が対応できない事態が起こった場合、他人にはどう見られるかが気になるという点では対人恐怖症の発展型と言えるでしょう。
過去に対人恐怖を体験した事が原因となって恐怖症恐怖症になる例が多確認されています。
症状は多岐に渡り吐き気や動悸、突発的な逃避行動が挙げられ、重症時の例ではパニック発作に至る例が報告されています。
恐怖症恐怖症への対処、克服法や注意点
恐怖症恐怖症は限局性恐怖症より社会不安障害に近いと判断される事が多く、しっかりとした治療とアフターケアが必要なのは間違いないでしょう。
まずは自身の気持ちや症状を家族や周囲にしっかりと伝える事が必要ですが、それがなかなかできないのが恐怖症恐怖症の最大の注意点で、医師も判断がしにくく傾向にある事が分かっており、ほとんどの症例は優秀なカウンセラーからの進言によって診断されています。
まだまだ症例が少ない事もあって治療方法も様々ですが、薬物治療を選択する医師は約50%で、残りの50%は認知行動療法が選択されます。
認知行動療法では認知再構成法が優先されていましたが、近年では森田療法での治療が有効とされ、注目されています。今後も様々な技法が試され、研究が進んでいくでしょう。
まとめ
恐怖症恐怖症は強い予期不安や過去のトラウマ体験が原因となる恐怖症で、治療に向けた対応も難しい選択となる恐怖症です。
発見自体が難しい傾向にあり潜在的な患者が多く、社会不安障害との関連も指摘されている危険な恐怖症です。
少しでも不安があれば医療機関で受診する事をおすすめします。
あなたが恐怖症恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。