ある種の音楽だけに対して恐怖を感じるのは特定音楽恐怖症と呼ばれ、音楽恐怖症の限定的なケースと言われています。

 

対象となる音楽は様々で、現代では様々なジャンルの音楽が取り入られている曲も多く、限局的恐怖症の中でも診断が難しいとされています。

 

このページでは特定の音楽恐怖症の原因や症状、克服法や注意点をまとめました。

 

 

特定音楽恐怖症とは?

 

悩む人の多さ:★★☆☆☆

生活密着度 :★★★☆☆

克服可能度 :★★☆☆☆

総合危険度 :★★★☆☆

(各評価指数について)

 

特定の音楽だけに恐怖を感じる人の数は少ないとされていますが、音楽恐怖症や音恐怖症音響恐怖症を含めると中程度の患者数はいるのではないかと言われています。

 

苦手な音楽を自ら回避する事は比較的容易ですが、BGM等で流れる音楽を避ける事は非常に難しく、症状の重さによっては引きこもりの原因となる可能性があると指摘する研究者もいます。

 

生理的や本能的な感性が強く関係するので完全克服は難しく、軽減を目的にした治療が行われます。

 

 

特定音楽恐怖症の原因と症状

 

最も多いのがガムランやレゲエなどの民族色が強い音楽に対して恐怖を感じる例で、音楽ではなくハカ(ニュージーランドなどのラグビーチームが試合前に行う儀式)やケチャ(インドネシアのバリ島で行われる合唱儀式)に対する恐怖症も認められています。

 

全体の傾向として儀式恐怖症と強い関連性があるとされ、研究が進められています。

 

原因は特定の国に対するトラウマ体験が多く、次いで対人恐怖症が関係している場合が報告されています。

 

大きく違う文化圏の人から自分がどう見られるかが不安になる、日本独自の文化依存症候群が引き金となり、それを連想する音楽に対しての恐怖と発展します。

 

症状は主に吐き気や心拍上昇、発汗があり、重症時でもパニック発作にまで至る事は確認されていません。

 

ただし他の恐怖症を併発している場合は十分な注意が必要なので注意が必要でしょう。

 

 

特定の恐怖症への対処、克服法や注意点

 

特定音楽恐怖法には認知行動療法が最適な治療法だという事が立証されています。

 

特に曝露療法(エクスポージャー法)が有効とされ、系統的脱感作法と組み合わせる事で高い効果を期待する事ができます。

 

治療に長い期間を要する薬物療法が選択される事は非常に稀ですが、認知行動療法が試される場合でも他の恐怖症に比べると治療は長期化する傾向にあります。

(各恐怖症に有効な治療法の一覧)

 

 

まとめ

 

特定音楽恐怖症は他の恐怖症との関連性が強く、症状によっては警戒すべき恐怖症です。

 

完全克服は難しいながらも医師やカウンセラーの下で治療に取り組む事で大幅な軽減を期待する事ができます。

 

家族や周囲の理解が得にくいという側面もあるので、まずは理解を求める事が克服への第一歩となるでしょう。

 

あなたが特定音楽恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。