寄生虫を怖がるのは人間の本能として正常な反応と言えますが、恐怖症として症状が出るのは問題視されています。
寄生虫恐怖症は日本だけでなく海外でも確認されており、特に欧米などの先進国で多く見られる傾向にあります。
英語ではVermiphobiaと記載され、研究の対象にもなっています。このページでは寄生虫恐怖症について詳しく解説していきます。
寄生虫恐怖症とは?
悩む人の多さ:★★★☆☆
生活密着度 :★☆☆☆☆
克服可能度 :★★☆☆☆
総合危険度 :★★★☆☆
寄生虫を日常で見かける事はあまりありませんが、自分から避けて生活をする事が難しいのが悩みの一つです。
寄生虫が対象という事もあり、悩む人の多さが中程度とされる理由は集合体恐怖症との関連にあります。
潜在的な患者数は発表よりも多いとされ、警戒が必要な恐怖症と断定しても良いでしょう。
寄生虫恐怖症の原因と症状
寄生虫恐怖症と集合体恐怖症は表裏一体と言われています。集合体に対して恐怖を感じる原因が寄生虫や細菌を連想するからという事実がある側面、集合体に恐怖を感じるから寄生虫に対しても恐怖感じるという例もあるからです。
どちらが先の原因かどうかは一概には決める事ができず、議論の的になっています。寄生虫が怖くて刺身やサラダなどの生ものが食べれない場合は一度寄生虫恐怖症を疑ってみる価値はあります。
いずれにせよ原因は生理的拒絶か本能的拒絶に大別され、症状も共通する事が多いようです。
主な症状は吐き気や悪寒、発汗が代表的で、重症な例では想像するだけで嘔吐したり、パニック発作に至る例も報告されています。
特に肉眼で見にくい寄生虫が対象である事からか、想像だけで症状を表す例が多く確認されています。
寄生虫恐怖症への対処、克服法や注意点
寄生虫恐怖症は強い予期不安が根本的な原因になる事が多く、強迫性障害と診断される事が比較的多い恐怖症です。
克服や軽減に向けた治療は基本的には認知行動療法が用いられますが、投薬が選択される事もしばしばあります。
薬物治療の場合は不安性障害が疑われる場合に使われ、予期不安や妄想が原因となる限局性恐怖症の範疇であるなら認知行動療法が試されます。
治療は慎重に行われる傾向にあり、曝露療法よりも認知再構成法が優先されており、近年では森田療法による効果も高いと言われ始めています。
医療機関での受診が推奨されており、医師やカウンセラーの下で治療に取り組む事で高い効果が期待できるとされています。
まとめ
寄生虫恐怖症は強い予期不安が原因となる限局性恐怖症で、症状によっては不安性障害と診断される事もあります。
恐怖を感じる対象を心理面から特定する事が軽減や克服への第一歩となり、家族や周囲の理解と協力を必ず得るようにしましょう。
あなたが寄生虫恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。