紙に対して恐怖を覚えるという状況は原因の種類は少ないものの、他の恐怖症と間違えられやすく慎重な判断が求めれます。

 

英語ではPapyrophobiaと表記され患者は世界中で見られる事が分かっています。

 

また重症化に向かう進行速度が他の限局性恐怖症と比べて早い事も研究者によって指摘されています。

 

このページでは紙恐怖症の原因や症状、克服方法について解説していきます。

 

 

紙恐怖症とは?

 

悩む人の多さ:★★★☆☆

生活密着度 :★★★★★

克服可能度 :★★☆☆☆

総合危険度 :★★★★☆

(各評価指数について)

 

IT化やペーパーレス化が進む中、世の中の紙の必要性は下がってきているものの、生活密着度は高く、紙を完全に避けて生活する事は困難でしょう。

 

職業選択にも大きく影響する事は確実で、人生を左右する問題に発展する可能性は拭いきれません。

 

また完全に克服する事も難しいとされ、基本的には対処をしながら軽減を目指した治療が第一候補となります。

 

 

紙恐怖症の原因と症状

 

紙恐怖症に陥る原因のほとんどが過去に紙で手を切ったという経験がトラウマとなるもので、少数派としては紙の質感が恐怖の対象となる質感恐怖症の範疇に入る例も報告されています。

 

原因はほとんどの例でこの一つですが、紙の中でもコピー用紙だけではなく、新聞紙や本にだけ恐怖を感じるケースもあり、新聞恐怖症書籍恐怖症と診断される例が多くあります。

 

そのため間違った治療を進めてしまい、改善どころか症状が悪化を招いてしまう事が医師の頭を悩ませています。

 

症状の進行が早い事でも知られており、コピー用紙のみが恐怖の対象だったものが、ティッシュペーパーや段ボールなどにも恐怖を感じるようになるケースも後を絶ちません。

 

症状としては動悸や吐き気などがあり、紙を触る場面でない時でも寝ている時に症状が出る事があるのが特徴的です。

 

想像しただけで嘔吐したりパニック発作に至る例の報告もあり、放置すれば非常に危険な状態になると言えるでしょう。

 

 

紙恐怖症への対処、克服法や注意点

 

直接的な対処としては手袋をする事が即効性がありますが、年中ずっとしているわけにはいかず、そのままだと他人の目が気になり過ぎて対人恐怖症の合併や引きこもりの原因になるリスクがあります。

 

そのため対処だけではなく医療機関で受診する事が強く推奨されていますが、まずは家族や周囲へ理解を求める事が克服へ向けての第一歩となります。

 

医療機関での治療は認知行動療法が基本で、曝露療法(エクスポージャ法)や認知再構成法、系統的脱感作法などが症状に応じて組み合わせて試されます。

 

パニック障害と診断されると薬物治療が優先され、治療の後期に認知行動療法での治療に移行します。

(各恐怖症に有効な治療法の一覧)

 

 

まとめ

 

紙恐怖症は過去のトラウマ体験が原因になる事がほとんどですが、症状の進行が早く危険な恐怖症の一つに数えられます。

 

自分で対処するだけではなく、医師やカウンセラーの下で計画的な治療に取り組む事が必要です。

 

あなたが紙恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。