正月や盆などの連休に故郷へ帰省するのは日本だけでなく海外でも一般的な事ですが、帰郷する事に恐怖を感じ、限局性恐怖症としての症状を表す例があります。

 

帰省と言えばゆっくり過ごし、地元の旧友たちと会う事に楽しみを覚えるものですが、どういったメカニズムで帰郷恐怖症の症状が表れるのでしょうか。

 

このページでは帰郷恐怖症の原因や症状、克服法について解説していきます。

 

 

帰郷恐怖症とは?

 

悩む人の多さ:★★☆☆☆

生活密着度 :★★★☆☆

克服可能度 :★★★☆☆

総合危険度 :★★★☆☆

(各評価指数について)

 

帰郷恐怖症に悩む人の数は比較的少ない方ですが、近年では中国国内で帰省に対して恐怖を感じる「春節恐怖症」が若者を中心に増加している事が分かっています。

 

帰省をしない事を選択する事は可能ですが、当然家族やコミュニティとの関係の希薄化を避ける事はできません。

 

また、親を中心とした家族の理解を得にくいのも大きな特徴となり、治療の妨げになっている点も問題視されています。

 

 

帰郷恐怖症の原因と症状

 

類似する恐怖症としては帰宅恐怖症がありますが、帰宅恐怖症は妻を持つ男性に多い一歩で帰郷恐怖症は男女の割合がほぼ半分だと言われており、別の恐怖症とされています。

 

英語ではNostophobiaと表記される通り、世界中で見られる事から研究の対象にもなっています。

 

原因は帰宅恐怖症と同じく帰郷したら何か悪いニュースが待っているのかと思うという吉報恐怖症がベースになっているケースや、帰省時の交通渋滞や満員列車が起こる事で一時的な広場恐怖症の症状を発する例、帰郷して旧友と会うと自分がどう見られるかに恐怖を感じる対人恐怖症が関連する場合もあります。

 

いずれも予期不安が強く関係し、複数の限局性恐怖症の併発や引きこもりの原因になる事が共通します。

 

症状は頭痛や吐き気、心拍の乱れなどがあり、重症時では想像しただけで嘔吐に至る例も報告されています。

 

 

帰郷恐怖症への対処、克服法や注意点

 

前述の通り、帰郷恐怖症は家族の理解を得にくいという性質がある事から病院へ相談できず、治療開始が大きく遅れるケースが後を絶ちません。

 

まずは親を含めた家族に相談する事が克服への第一歩となるのは間違いないでしょう。

 

治療には認知行動療法が優先されますが、曝露療法(エクスポージャ法)の実践は難しく、認知再構成法や森田療法が組み合わせて採用されるケースが多いようです。

 

独自の方法で取り組むのは逆に症状を悪化させる場合があり、必ず医療機関で治療に取り組む事が前提となります。

(各恐怖症に有効な治療法の一覧)

 

 

まとめ

 

帰郷恐怖症は他の恐怖症の合併リスクが高い恐怖症で、社会問題と捉える研究者もおり、早期発見と早期治療ができる取り組みが求められています。

 

症状に悩む場合は早めに家族に打ち明け、医師やカウンセラーの下で治療に取り組む事が推奨されています。

 

あなたが帰郷恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。