日本国内では200種類、世界では500種類以上の限局性恐怖症が存在し、現代生活において症状に苦しむ人は増え続けています。

 

その中にはエレベーター恐怖症というものもあり、特に都市部においては悩みの種となる事が多いようです。

 

このページではエレベーター恐怖症の原因や症状、克服法について詳しく解説していきます。

 

 

エレベーター恐怖症とは?

 

悩む人の多さ:★★★☆☆

生活密着度 :★★★★☆

克服可能度 :★★★☆☆

総合危険度 :★★★☆☆

(各評価指数について)

 

エレベーター恐怖症は広場恐怖症の一種で、乗り物等の閉鎖空間で何か起こる事に対して不安になる恐怖症です。

 

他の恐怖の対象となる乗り物は電車や車、バスなどがありますが、エレベーターのみに恐怖を感じる例も珍しくありません。

 

エレベーターを完全に避ける事は不可能ではありませんが、建物の上階へ行くのに何階であっても階段を使う事は現実的ではありません。

 

特に都市部においては難しく、職業選択にも影響し、最悪は引きこもりの原因になりかねません。

 

一方で適切な治療によって軽減させる事は十分に可能で、完全克服ができたという例もたくさんあります。

 

 

エレベーター恐怖症の原因と症状

 

前述の通り、エレベーター恐怖症は広場恐怖症の一種で、乗り物恐怖症とも呼ばれています。

 

自分ですぐに止める事ができない公共の乗り物で症状が出る事が特に多く、比較的短時間で止まるエレベーターが恐怖の対象となる事は重症な例かと思われますが、全てはそうではありません。

 

エレベーターという装置に対して違和感を持つ例や、災害時に閉じ込められる可能性が他に比べて高い事から恐怖の対象となるケースがあります。

 

他には広場恐怖症ではなく、高所恐怖症閉所恐怖症エスカレーター恐怖症などの他の限局性恐怖症が原因となっている場合もあります。

 

症状としては多量の発汗、息切れ、動悸などがあり、重症時では呼吸困難や過呼吸からくるパニック発作の例も確認されています。

 

 

エレベーター恐怖症への対処、克服法や注意点

 

広場恐怖症ではなく他の限局性恐怖症が関連している場合もある事から、医師にとっても慎重に判断する必要があるので、症状や思う事はできるだけ詳細に伝える事が求められます。

 

また、重症化すると不安障害としての症状が強く表れる可能性があるので、決して一人で抱え込まず、周囲や家族に相談し、理解と協力を得る事も克服へ向けての大切な要素です。

 

治療にあたっては、症状によっては投薬治療が選択される場合もありますが、基本的には認知行動療法が優先されます。

 

実際にエレベーターに乗っても何も起こらないという事を確認する曝露療法(エクスポージャ法)の効果が特に顕著で、必要に応じて認知再構成法や自己教示訓練法などの組み合わせる事もあります。

 

ただし治療は必ず医療機関で行うのが大前提で、独自の治療法を試す事は症状の悪化を招くので危険である事は間違いありません。

 

また、幼少時にエレベーター恐怖症の症状が見られる場合は年齢を重ねる内に思春期を過ぎたあたりで自然と軽減もしくは克服できている例もあり、治療を開始するかは医師の判断によります。

(各恐怖症に有効な治療法の一覧)

 

 

まとめ

 

エレベーター恐怖症は広場恐怖症の一種ですが、そうでないケースもあり、慎重に見分ける必要があります。

 

エレベーターを避けるだけでは解決にはならず、特に都市部で生活するのは困難で、社会生活や日常生活においても死活問題になり得る危険な恐怖症と言えるでしょう。

 

症状が気になる場合は医師やカウンセラーの下で治療に取り組む事が推奨されています。

 

あなたがエレベーター恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。