日本に訪れる外国人観光客が爆発的に増えた頃、中国人観光客の多くがエスカレーターに乗れない人という事がニュースになりましたが、エスカレーターが恐怖の対象になる例は世界中で見られます。

 

他の恐怖症が関連する事が多く、また合併する例も多数あり、研究の対象にもなっています。

 

このページではエスカレーター恐怖症の原因や症状、克服法について詳しく解説していきます。

 

 

エスカレーター恐怖症とは?

 

悩む人の多さ:★★★☆☆

生活密着度 :★★★☆☆

克服可能度 :★★☆☆☆

総合危険度 :★★★★☆

(各評価指数について)

 

エスカレーターに対する恐怖に関しては専門家の間でも意見が分かれていますが、悩む人の多さは中程度とされています。

 

エスカレーターを避けて生活する事はある程度可能ですが、TPOを意識する事が重要な場面では避ける事は困難となります。

 

場合によっては混雑する施設で1階から3階に行くのに目の前のエスカレーターでなく階段を選択したりエレベーターにわざわざ乗らざるを得ない時もあり、同行者から不思議な目で見られます。

 

完全に克服できる可能性も比較的低く、基本的には軽減を目的とした治療をしながら日常生活や仕事に支障をきたさない状態を目指します。

 

エスカレーターは高い場所や低い場所に行く事が目的なので、エスカレーターに乗る事自体が落下などのリスクがあり、危険性に直結する恐怖症である事が心配されています。

 

 

エスカレーター恐怖症の原因と症状

 

エスカレーターには上りも下りもありますが、その両方に恐怖症が存在する事が分かっています。

 

上りの場合は低所恐怖症、下りの場合は高所恐怖症が強く関係する事が疑われており、実際に共通する特徴が多くあります。

 

他にはエスカレーターに乗るタイミングがつかめないという事例や、エスカレーターに乗っている間に近くにいる人からどう見られるかが怖いという対人恐怖症に似た例、エスカレーターのステップの両端にある黄色に部分が怖いという黄色恐怖症が根本的な原因になっている例も報告されています。

 

特に長いエスカレーターで恐怖を感じる事が多く、足を踏み外す事に対する予期不安が強まる事によって限局性恐怖症としての症状が表れます。

 

症状は動悸や心拍の上昇、吐き気や多量の発汗などが代表的で、重症時になると嘔吐やパニック発作に至る例も確認されています。

 

 

エスカレーター恐怖症への対処、克服法や注意点

 

色々な恐怖症を併発するリスクがある恐怖症治療法には認知行動療法が最適だと言われています。

 

エスカレーター恐怖症の場合は曝露療法(エクスポージャ法)が有効で、必要に応じて自己教示訓練法や認知再構成法などの技法が組み合わされます。

 

治療に取り組む際は必ず家族や周囲の理解を得た上で医療機関で受診しましょう。

(各恐怖症に有効な治療法の一覧)

 

 

まとめ

 

エスカレーター恐怖症は高所恐怖症や低所恐怖症、対人恐怖症と関連があると言われ、さらなる研究が必要とされています。

 

治療は必ず医師やカウンセラーの下で行う事が有効であると同時に前提でもあり、独自での手法が症状を悪化させる原因となるので注意が必要です。

 

あなたがエスカレーター恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。