食中毒は命を脅かす可能性があり、世界中を探しても自分が食中毒になる事を歓迎する人はいないでしょう。

 

しかし食中毒に対する嫌悪や警戒ではなく、食中毒になっていない人が極端にその可能性を忌避し、限局性恐怖症の症状が表れる状態が食中毒恐怖症と呼ばれます。

 

そのメカニズムは複雑で、原因も様々である事が分かっています。このページで詳しく解説していきます。

 

 

食中毒恐怖症とは?

 

悩む人の多さ:★★★☆☆

生活密着度 :★★★☆☆

克服可能度 :★★★★☆

総合危険度 :★★★☆☆

(各評価指数について)

 

食中毒になる可能性はたくさんある事はご存知かと思います。加熱が一番安全と言われていますが、加熱後の経過時間や中心温度によっては食中毒になる可能性はゼロではありません。

 

生野菜のサラダや生焼けの肉、二枚貝等はもちろん、かき氷にも食中毒のリスクは高い事が分かっています。

 

日常生活において徹底的に避ける事は可能かもしれませんが、TPO(時、場所、機会)によっては周りから白い目で見られる事もあります。

 

しかし適切な治療によって完全克服できる可能性も高いとされ、有効な治療法も確立されています。

 

 

食中毒恐怖症の原因と症状

 

食中毒に対して異常と言える恐怖を感じる原因は、昔は強い予期不安不安障害であると認識されていましたが、近年では嘔吐恐怖症と強い関連がある事が確実視されています。

 

もちろん原因は人によって様々ですが、大半の患者は嘔吐恐怖症を合併していると考えられています。

 

この事から、日本の恥を意識するという文化依存症候群が原因となっているという説を支持する研究者が増えています。

 

日本人特有とも言える会食恐怖症食物恐怖症との関係も研究され始めており、今後新たな発表が期待されています。

 

症状としては過度な加熱をしないと食べる事ができない事や、食べる事自体に恐怖を感じる事によって心拍の乱れを引き起こし、嘔吐やパニック発作を起こす事が分かっています。

 

中には引きこもりになってしまう原因になる事もあり、二次的な症状に対しても注意が必要です。

 

 

食中毒恐怖症への対処、克服法や注意点

 

食中毒に対する恐怖を解明するには様々な方向からのアプローチが必要ですが、対人恐怖症への派生も考慮する必要があり、医師の性格な判断を妨げているのが現状です。

 

どのように原因が絡み合っているかによって治療法は異なり、より専門的なクリニックや医療科の設立が求められています。

 

基本的な治療は認知行動療法が用いられ、特に森田療法の効果が高い事が分かっています。

 

場合によっては認知再構成法が組み合わされる事もあり、一定の効果がある事は確実でしょう。しかし限局性恐怖症として周囲や家族が理解してくれる事は少なく、必ず事前に理解を得た上で医療機関での受診を開始する事が克服への第一歩となります。

(各恐怖症に有効な治療法の一覧)

 

 

まとめ

 

食中毒恐怖症は他の恐怖症と関連する事が確実視されていますが、未だ確実な事が解明されていない恐怖症です。

 

しかし医師やカウンセラーの下で治療に取り組む事で高い効果がある事は分かっており、家族や周囲の理解を得た上で治療に取り組む事が推奨されています。

 

あなたが食中毒恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。