不潔恐怖症は潔癖症とも呼ばれていますが、様々な方面からの研究から別の症状だと主張され始めており、未だ決着はついていません。

 

不潔恐怖症の場合は対象が汚れているかが問題ではなくノイローゼ(強迫性障害)に分類される傾向があり、強迫神経症と同義とされる事がほとんどで、汚れる事を嫌う潔癖症とは違うというのがその説の根拠となっています。

 

 

不潔恐怖症とは?

 

悩む人の多さ:★★★☆☆

生活密着度 :★★★★☆

克服可能度 :★★☆☆☆

総合危険度 :★★★★☆

(各評価指数について)

 

不潔恐怖症と潔癖症を完全に区別した場合、不潔恐怖症に悩む人の多さは中程度と言われていますが、症状によっては生活密着度が高くなり、生活への影響が大きくなる傾向があります。

 

個人差にもよりますが、完全克服は難しいとの意見もあり、治療は基本的に継続的な軽減が目標に設定されます。このような背景から、総合危険度は高めだと言えるでしょう。

 

 

不潔恐怖症の原因と症状

 

不潔恐怖症の原因には性格的な共通点がある事が分かっています。完全に対する欲望が強い、適応力が低めであるという項目に当てはまる人が多く、優柔不断さも関係するという意見もあります。

 

このような性格が元での強迫神経症が直接的な原因となる事が非常に多く、現実として汚れているかは関係なく繰り返し洗おうとしたり、他人が触れた物に触る事ができないという特徴的かつ共通する行動が出ます。

 

本来、人間が生きる環境下では空気中に無数の菌が存在し、菌の中でも人体に悪影響がないものや体を整えるものさえあります。

 

それら全てに対して意識が過剰になる事は生活に大きな支障をきたす事が問題視されており、早期の治療が勧められています。

 

この点ではドアノブ恐怖症細菌恐怖症と共通する点があると言えるでしょう。また、寄生虫恐怖症との関連性があるのではないかとの疑いも持たれています。

 

症状は強迫神経症と似ているものが多く、一時間以上同じ部分を洗浄し続けてしまう例や、慢性的な倦怠感や絶望感、摂食障害や薬物依存など、危険な症状が多い事で知られています。

 

 

不潔恐怖症への対処、克服法や注意点

 

不潔恐怖症は医療機関での治療が勧められており、早期であるほど効果は高い事が分かっています。

 

症状によっては薬物治療が選択される事もありますが、まずは認知行動療法が用いられます。

 

儀式的な反復行動を止める儀式妨害と、恐怖の対象にあえて触れさせる曝露療法(エクスポージャー法)を組み合わせた曝露反応妨害法という技法が多くのケースで試されています。

 

また安全性を優先する場合は認知再構成法や森田療法も一定の効果を得る事が実証されています。注意点としては、症状を放置する事で時間と共に改善したという例はほとんどないので、少しでも疑わしい場合は医療機関を受診するようにしましょう。

 

(各恐怖症に有効な治療法の一覧)

 

 

まとめ

 

不潔恐怖症は生活への影響が大きく、症状も危険なものが多く、注意が逸翁な恐怖症です。

 

克服に向けては色々な治療法を模索する必要があり、比較的長期化する傾向が顕著ですが、根気よく治療に取り組む事で大幅な軽減や克服を目指す事ができるでしょう。

 

あなたが不潔恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。