穴恐怖症にはいくつかの類似する恐怖症があり、同じ症例とするかをめぐっては多様な説が存在しています。

 

人間の動物としての本能が過敏になっているという点で共通するのがその原因とも言われていますが、現在はそれぞれの恐怖症は別のものだと考えられています。

 

このページでは穴恐怖症の原因や症状、克服法などを詳しく解説していきます。

 

 

穴恐怖症とは?

 

悩む人の多さ:★★☆☆☆

生活密着度 :★★★☆☆

克服可能度 :★★★★☆

総合危険度 :★★★☆☆

(各評価指数について)

 

穴恐怖症と似ている恐怖症として、まず集合体恐怖症症(Trypophobia)が挙げられます。集合体の中でも特に無数の穴が密集している事に恐怖を感じる例が多数を占めますが、穴以外の密集にも症状が見られる事から別の恐怖症と考えられています。

 

次にダム穴恐怖症との類似点が指摘されていますが、穴恐怖症と同じ扱いにするかどうかは意見が分かれています。ダム穴恐怖症はダム穴のみに対する恐怖である一方、穴恐怖症はダム穴以外の特定の大きさや形状の穴に恐怖を感じるものです。

 

ダム穴恐怖症はDamholephobiaと表記され、穴恐怖症はHoleophobiaと別のものとして扱われるケースが多いようですが、穴恐怖症は広義でダム穴恐怖症は狭義での穴恐怖症だとする説が支持され始めています。

 

この考え方に基づくと、穴恐怖症の患者数はもっと多いと思われ、穴の密集に対して恐怖を感じるタイプの集合体恐怖症も入れるとメジャーな恐怖症と言える数にのぼるでしょう。

 

 

穴恐怖症の原因と症状

 

恐怖を感じる対象となる穴は人によって様々で、特に底が見えない深さの地面に空いた穴に対する恐怖が多いようですが、小さな穴やレンコンやドーナッツの穴に強い嫌悪を感じる人もいます。

 

前者の場合は穴の底が見えない事に対する本能的な恐怖や穴から何か出てくるかもしれないという予期不安が原因となりますが、後者のケースでは原因が特定されない事が多く、完全に解明されていない部分が多い恐怖症とされています。

 

症状としては悪寒や吐き気、めまいが挙げられ、重症な例では嘔吐やパニック発作も確認されています。また高所恐怖症と似た危険性を持つ事でも知られ、穴の近くでめまいが起きると穴に落ちてしまう危険性がある事から、症状によっては注意が必要です。

 

 

穴恐怖症への対処、克服法や注意点

 

恐怖を感じる穴のタイプによって対処法は変わり、大きな地面の穴は避ける事である程度対応できますが、生活密着度の高い穴が対象な場合は症状によっては本格的な治療が望ましいでしょう。

 

また、幼少期で発症する穴恐怖症に関しては思春期を経て大人になっていく中で自然と克服できる例が多く、しばらく様子を見ながら医療機関での受診を検討する事が良いとされています。

 

医療機関では認知行動療法が用いられる事がほとんどで、曝露療法や系統的脱感作法、自己教示訓練法などの技法が組み合わせて使われます。

 

投薬に至る例は非常に稀で、認知行動療法のみによって完全克服ができたという例も比較的多くみられる恐怖症です。

(各恐怖症に有効な治療法の一覧)

 

 

まとめ

 

穴恐怖症は集合体恐怖症やダム穴恐怖症と似ている恐怖症で、ひとくくりにされる事もありますが、広義の恐怖症だという認識が高まっています。

 

恐怖の対象となる穴の種類によって危険度は変わり、生活密着度や症状の重さによっては医療機関での受診が勧められています。

 

あなたが穴恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。