天国とは穏やかで楽しく快適だというイメージがありますが、天国に対しての恐怖に悩む人がいます。
死や地獄など恐怖を連想する事ではないものが対象という珍しい部類の恐怖症ですが、死恐怖症(タナトフォビア)と共通する部分も多くあり、治療法もよく似たものが採用されます。
このページでは天国恐怖症の原因や症状、克服法をまとめました。
天国恐怖症とは?
悩む人の多さ:★☆☆☆☆
生活密着度 :★★★☆☆
克服可能度 :★★★★☆
総合危険度 :★★★☆☆
天国恐怖症に苦しむ人の数は少ないながらも、周囲の理解を得にくいという特徴がある事から注意が必要な恐怖症です。
しかし克服できる可能性は低くはない事が分かっていますので、適切な治療を受ける事ができれば完全克服を目指す事ができるでしょう。
天国恐怖症の原因と症状
天国恐怖症は2種類の原因が確認されています。
まず一つ目は死に対しての恐怖が大きくなり、天国という言葉で死を連想してしまうケースです。
2つ目の原因は宗教での教えを信じ過ぎて死んだら裁きを受ける事に対する恐怖が挙げられます。
どちらも考え過ぎや思い過ぎが原因となり、症状によっては不安障害と診断される事もあります。
特に宗教信者に多いことが確認されており、宗教や天国を象徴する事から空恐怖症やローマ教皇恐怖症との関連も指摘されています。
症状は動悸や発汗、重症の場合は言葉を聞いただけで嘔吐したり、パニック発作が表れる例も報告されています。
天国恐怖症への対処、克服法や注意点
天国恐怖症は前述の通り理解を得られにくい事から、まずは家族や周囲に天国恐怖症である事を知ってもらい、理解を得る事が克服への第一歩となります。その上で克服へ向けた治療を受けるようにしましょう。
恐怖症治療に広く使われている認知行動療法が主な治療法となりますが、曝露療法は勧められていません。
例えば恐怖を覚える対象物が一般的に怖くないものであれば、それにあえて晒される事によって症状が軽減されたり克服できる可能性がありますが、死や天国は直接体験できるものではなく、他人の死と自分の死は当然違うものになるからです。
詳しい原因によっては曝露療法が試される事もありますが、効果は一時的で時間が経つにつれて再発リスクが高まる事が知られています。
考え方や捉え方が原因となっている事から森田療法が特に有効とされ、認知再構成法と組み合わせての治療になる事が多いようです。
焦らず落ち着いて物事の本質を考えていく事で軽減や克服が可能となり、特に心理カウンセラーの下で実践すると効果が高まる事が認められています。
まとめ
天国恐怖症はかなり珍しいと言われる恐怖症ですが、死恐怖症やローマ教皇恐怖症との共通点が多く、関連が研究されています。
これらの類似する恐怖症をひとくくりにすると患者数は多く、最近は注目を集めつつあります。
克服へ向けた治療は我流では危険で、医療機関での治療であっても治療法を間違えると悪化する場合もあり、適切な治療を受ける必要があります。
あなたが天国恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。