醜形恐怖症は身体醜形障害とも呼ばれ、人口の0.5%が悩む恐怖症として知られています。
自分は決して醜くないのに醜いと思い過ぎる事で対人恐怖症との類似点が指摘されています。
発症のピークは思春期と言われていますが大人になっても克服できない人は潜在的なケースを含めると相当多いのではないかと言われています。
このページで詳しく解説します。
醜形恐怖症とは?
悩む人の多さ:★★★☆☆
生活密着度 :★★★★★
克服可能度 :★★☆☆☆
総合危険度 :★★★★☆
醜形恐怖症は自分自身が原因という事もあり生活密着度は非常に高く、対人恐怖症を合併する例が多いことから危険な恐怖症だと認識されています。
特に大人では克服できる可能性は高いとは言えず、治療も長期にわたる傾向が確認されています。
自分は醜くないのに醜いと思い込むので、整形手術をしても軽減される例は少なく、むしろ悪化する可能性が懸念されています。
また醜形恐怖症に悩む人はなかなか周囲に相談しない傾向があるので、潜在的な患者数は多いと言われています。
醜形恐怖症の原因と症状
醜形恐怖症で多いのが思春期での発症で、自分の変化についていけない事や、幼いままの方が良いと思ってしまう事が原因で、問題行動や引きこもりになってしまう可能性があります。
一般的に見て普通なのに大きなコンプレックスを感じる例では完璧主義者が多く、自分のイメージにそぐわない容姿が許せない事が成人での症例に多いようです。
恐怖症の対象として一番多いのは毛髪で、他には鼻や目、皮膚も多く、身体全体というケースも確認されています。
最近の研究では性同一性障害の前兆として醜形恐怖症を発症するという事例があるのではないかとも言われています。
症状として、鏡やカメラ、自分が映るものを極端に避けたり鏡を何度も確認しないと気が治まらない事が挙げられますが、高頻度でうつ病を合併する事も特徴のひとつとされ、強迫性障害と診断される事もあります。
症状が重い場合ではパニック発作もよく報告されており、サイドミラーが見れないために運転免許の取得ができなかったり、人が近くにいると仕事ができなかったりと、職業選択どころか何も仕事を選ぶ事自体が困難になり引きこもる事もよくあります。
また、その場合は家庭内暴力に至るケースが多く確認されており、早い段階から継続的な治療を受ける事が望ましいとされています。
醜形恐怖症への対処、克服法や注意点
思春期で発症した場合、年齢と共に軽減され、いつの間にか克服できているという例も多く見られますが、若い内であっても症状が重い場合は医療機関での受診が勧められています。
もし自分の家族が疑わしいという場合は接し方に十分な配慮が必要となります。社会的な孤立から家庭内での孤立に移行するのは最悪のケースと言われています。
治療法としては曝露療法や森田療法、認知再構成法を中心とした認知行動療法がまず優先して試されますが、症状が重い場合は薬物治療が選択される場合もあります。
重症化しない事を大前提とした治療が行われるため、必ず医師やカウンセラーの下で治療にあたるようにしましょう。
まとめ
醜形恐怖症は自分のイメージと実際の自分の容姿が乖離している事が原因となる恐怖症です。
対人恐怖症や引きこもり、強迫性障害と関連する事から危険な恐怖症と言えるでしょう。
完全克服のためにはまずは軽減に向けた治療からスタートする事が推奨されています。
あなたが醜形恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。