シャワーや入浴するとリフレッシュもできて気持ちが良いものですが、恐怖の対象となって掃除や洗濯もできなくなる症例が世界中で報告されています。

 

日本でもTV番組で取り上げられるなど、注目され始めています。

 

このページでは洗浄恐怖症の原因や症状、克服法について詳しく解説していきます。

 

 

洗浄恐怖症とは?

 

悩む人の多さ:★★☆☆☆

生活密着度 :★★★★★

克服可能度 :★★★☆☆

総合危険度 :★★★★★

(各評価指数について)

 

洗浄恐怖症に悩む人の数は比較的少ないものの、女性や子どもに多い恐怖症である事が研究結果から分かっています。

 

生活密着度は当然高く、日常生活はおろか引きこもりの原因になる可能性もあり、死活問題にまで発展するケースもあります。

 

実際にイギリスで10代の少年が洗浄恐怖症が原因で死亡した例もあり、非常に危険な恐怖症である事が伺えます。

 

厳密には洗浄恐怖症が原因で体に振りかけていた消臭剤のガスが死亡の原因ですが、同じような行動に出てします危険性はあると言えるでしょう。

 

完全克服の可能性はまちまちですが、まずは日常生活が送れるようになるまで軽減させる事が最優先されます。

 

英語ではAblutophobiaと表記され、世界中で研究が進められています。

 

 

洗浄恐怖症の原因と症状

 

はじめの内は入浴やシャワーを浴びるのが恐怖の対象になり、症状が進むと清掃や洗濯などの洗浄に関わる全てが対象が広がるケースがほとんどです。

 

不潔恐怖症とは真逆ですが、強迫観念との関わりを指摘する研究者も多くいます。

 

また水恐怖症を合併したり、逆に洗浄恐怖症の原因となっているケースもありますが、原因に関してはまだまだ手探りの状態が続いています。

 

現在では幼少期に受けた虐待がトラウマ体験となって洗浄恐怖症の引き金になっているという説が支持されており、この認識が正しいのではないかと受け入れられています。

 

症状としては洗浄を極端に避け、想像しただけで体の震えや動悸、嘔吐、パニック発作に至る例も報告されていますが、洗浄しない事による感染症などの病気にかかる可能性も高い事も無視できません。

 

 

洗浄恐怖症への対処、克服法や注意点

 

ある程度認知度は高まってきたものの周囲の理解を得られにくく、不当な扱いを受けてしまう事が多くあります。

 

克服へ向けた治療は医療機関で行う事が前提となりますが、まずは家族や周囲の理解と協力を得る事が重要です。強引な治療は特に危険とされ、症状の悪化を招くリスクが高まります。

 

必ず医師やカウンセラーの下で治療に取り組む事が条件となる事を忘れてはいけません。

 

治療に認知行動療法が採用される事が多く、実際に洗浄しても何も起こらない事を確認する曝露療法(エクスポージャ法)が効果的で、必要に応じて認知再構成法や系統的脱感作法、森田療法などの技法が組み合わされます。

 

症状が深刻な場合は薬物治療が優先されるケースもあり、ある程度軽減させた後に認知行動療法に切り替えられますが、治療期間は長くなる傾向にあり、長期で治療に取り組む事を覚悟しなければなりません。

(各恐怖症に有効な治療法の一覧)

 

 

まとめ

 

洗浄恐怖症は他の病気や恐怖症を併発する恐れのある危険な恐怖症で、幼少期が原因だという説が支持されています。

 

日常生活に大きな影響を及ぼし、孤独へ向かってしまう事が最大の問題で、早期での治療が望まれています。

 

治療は必ず医療機関で行う必要がありますが、まずは家族や周囲の理解とサポートを得る事が克服への第一歩となる事は間違いないでしょう。

 

あなたが洗浄恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。