睡眠は身体を休めるもので、体の調節や回復、ストレス解消に関して重要な役割を持つ生理的欲求です。
しかし睡眠中に夢を見る事に恐怖を感じるというケースがあり、夢恐怖症と呼ばれます。
英語ではOneirophobiaと表記され、日本だけでなく世界中で見られ、危険な恐怖症の一つとして数えられています。
このページでは夢恐怖症の原因や症状、克服法について解説していきます。
夢恐怖症とは?
悩む人の多さ:★★☆☆☆
生活密着度 :★★★★★
克服可能度 :★★☆☆☆
総合危険度 :★★★★☆
夢を見る事が恐怖の対象となる例は比較的少ないながらも、夢を見ないという方法はなく、当然ながら生活密着度は非常に高いものになります。
原因によっては克服する事は難しく、できるだけ軽減させる事を目的とした治療が選ばれる傾向にあります。
不眠や不安障害に発展する可能性も高く、他の恐怖症を合併する事もあり、総合的な危険度も高いと言わざるを得ないでしょう。
夢恐怖症の原因と症状
原因として大半を占めるのが、悪夢を見る事がトラウマとなる事で眠る事ができないケースです。
特に夢遊病を患う人に多く、悪夢を見ると無意識の中で家族に危害を加えてしまうのではないかという予期不安が症状に直結します。
しかし実際に家族に危害を加えた事があるかというと、そういった経験がある人は患者数の半数にも満たない事が分かっています。
自分自身で悩んでしまって家族に打ち明けにくい事から、対処ができずに症状が悪化していく事も問題視されており、引きこもりの原因になったり精神障害を引き起こす例も確認されています。
症状としては眠気を感じると動悸がしたり、吐き気や頭痛、腹痛が出るケースが多く、重症時には就寝前に嘔吐や下痢が止まらないといった例も報告されています。
夢恐怖症への対処、克服法や注意点
睡眠の致命的な妨げとなる夢恐怖症への対処は難しく、医療機関を巻き込んだ計画的なアプローチが必要ですが、まずは家族や周囲と話し合い、理解を得る事が克服への第一歩となる事は間違いありません。
治療には認知行動療法が使われますが、実際に睡眠している様子を撮影し、何も心配がない事を確認する手法での曝露療法(エクスポージャ法)が採用される事が多く見られます。
症状の進行具合によっては不安障害と診断される事もあり、この場合は薬物療法を中心とした長期的な治療に取り組む事を覚悟しなければなりません。
いずれにせよ放置する事は症状の悪化につながる事を忘れてはならず、できるだけ早期から治療を始める事が推奨されています。
まとめ
夢恐怖症は睡眠という生理的欲求が阻害される危険な恐怖症で、精神障害や他の恐怖症を合併する可能性があります。
完全克服は難しいと言われていますが、医師やカウンセラーの下でじっくりと治療に取り組む事で大幅な軽減を狙う事ができるとされています。
まずはできるだけ多くの理解者を得る事が克服への近道となるので、一人で苦しまず周りに打ち明ける事が勧められています。
あなたが夢恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。