何度も同じ方向に回転すると特別な訓練を受けていない限り気分が悪くなり、乗り物酔いのような状態になるものですが、回転恐怖症に陥ると回転しても気分が悪くならない人でも様々な症状が出るようになるようです。

 

回転恐怖症になる理由は様々で、注目する研究者もいるほどです。

 

このページでは回転恐怖症の原因や症状、克服法について詳しく解説していきます。

 

 

回転恐怖症とは?

 

悩む人の多さ:★☆☆☆☆

生活密着度 :★★★☆☆

克服可能度 :★★☆☆☆

総合危険度 :★★★☆☆

(各評価指数について)

 

回転恐怖症に悩む人の数は比較的少ないものの、症状によっては非常にやっかいな恐怖症だと言われています。

 

生活密着度はその人によってまちまちですが、重症時には他の恐怖症を併発する可能性や引きこもりの原因になりやすいとされていますので、注意が必要な恐怖症と言えるでしょう。

 

一方で適切な治療を受ける事によって克服できる可能性が高く、最悪でも日常生活に支障が出ない程度まで軽減できるという意見が大多数を占めます。

 

 

回転恐怖症の原因と症状

 

回転恐怖症は主に2つの原因が挙げられます。

 

一つ目はバレエやフィギュアスケートのような回転を伴うスポーツをしている人で、回転ジャンプの失敗を恐れるがあまり回転恐怖症となるケースです。

 

このケースはスポーツ選手に見られるイップスとほぼ同じ症状で、これが原因で選手生命を縮められたアスリートは世界中で数多くいます。

 

スポーツや競技の種類を挙げると、バレエやハンマー投げ、砲丸投げだけでなく社交ダンスにまで至るケースもあります。

 

二つ目は過去にめまいを起こしてそれがトラウマ経験となってしまった例です。

 

特に顕著なのが頻繁にめまいを起こす人に比べ、過去に一度だけめまいを起こしたことのある人が回転恐怖症になる事も多いのです。

 

症状が進行すると、寝返りをも恐怖に感じ、不眠症に繋がってしまう事すらあります。実際にこのタイプの回転恐怖症に悩む人をインタビューしました。

 

体験談インタビュー(Y.Mさん 41歳 男性 会社経営)

 

Q.回転恐怖症の原因について自覚はありますか?

A.過去に一度、ひどいめまいが起きた事があって、その時すごく苦しかったんです。視界がグルグル回り、目を閉じても回転しているような感じでとても気分が悪かったです。原因が分からないまま治ってしまったせいもあるのか、次にいつあのめまいが来るのかと思うと何も手につかなくなります。できるだけ動かない方が良いと思ってしまっていました。

 

Q.生活においての支障は?

最も酷い時は、なぜか食事をするとめまいがするかもしれないと思い込んでしまった時期があって、その時期は2ヵ月で13キロほど痩せましたね。今は食事はほぼ普通にとれますが、仕事でお酒を飲む時はとても不安になります。

 

Q.対策はしましたか?

A.はじめは自宅へ引きこもって外に出ないようになりましたが、このままではいけないと思い切って家族に話しました。思いのほか家族が理解してくれたので助かりました。ちょうど総合病院でたまたま受診していた時期なので、担当の医師に相談したところ色々と調べてくださって適切な治療を受ける事ができたと思っています。今では日常生活に支障はないので、仕事も再開しています。

 

Q.回転恐怖症に悩む人たちへのメッセージをお願いします。

A.まずは家族や周囲の理解を求めて下さい。本当にそれに尽きます。僕がこのまま家族に打ち明けないでいたら大変な事になっていたでしょう。治療を受ければ必ず軽減できると思うので、自室にこもるのは何の解決にもなりません。こんな時こそ周りに助けてもらいましょう。

 

所感

この方は回転恐怖症をほぼ克服できました。しかしピーク時は相当苦しんだようです。予期不安が強く影響し、振り返る事さえ怖くなり、走っている自動車のタイヤが怖く、一時期は想像しただけで症状が出ていたとの事です。具体的な症状は発汗や心拍の乱れ、想像しただけでの悪寒や嘔吐、パニック発作に至る可能性も十分に警戒すべきです。

 

 

回転恐怖症への対処、克服法や注意点

 

有効な対処法はまず家族や周囲の理解を得てサポートしてもらう事です。

 

その上で医療機関で受診し、医師の判断を仰ぎましょう。独自の治療法を実践する事は危険で症状の悪化を招きかねません。

 

治療期間は比較的短くて済む傾向で、認知行動療法が最優先で選ばれます。特に系統的脱感作法と曝露療法(エクスポージャ法)の組み合わせが有効とされ、徐々に段階を上げて治療にあたります。

 

よほどの重症でない限り薬物治療は行われないので薬の副作用の心配はありませんが、薬が処方された場合は効果や治療期間を詳しく聞いておいた方が良いでしょう。

 

また遠心力恐怖症との区別が必要な事から、三半規管の検査や脳ドックを受ける事も有効ですが、閉所恐怖症電磁波恐怖症の人はMRI検査の有無を必ず確認してください。

(各恐怖症に有効な治療法の一覧)

 

 

まとめ

 

回転恐怖症は引きこもりになりがちな恐怖症という事から、危険な恐怖症だと認識されています。

 

しかし放置せずに適切な治療に取り組めば完全克服の可能性は十分にあります。

 

まずは周囲の理解を得て医療機関で治療する事をおすすめします。

 

 

あなたが回転恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。