妊娠や出産は男女関わらず人生の大きな局面なので、不安や心配を抱えるのは普通の事と思えます。
しかし限局性恐怖症としての症状が出るようなら注意が必要です。
このセンシティブな恐怖症はどのようなメカニズムを持つのでしょうか。
このページでは妊娠恐怖症の原因や症状、克服法について詳しく解説していきます。
妊娠恐怖症とは?
悩む人の多さ:★★☆☆☆
生活密着度 :★★★☆☆
克服可能度 :★★☆☆☆
総合危険度 :★★★☆☆
妊娠恐怖症に悩む人の数は比較的少ないと言われていますが、これは妊娠や出産に対する恐怖から来る症状をオープンにした人だけの数であり、潜在的にはまだまだ多くの人が悩んでいるのではないかと推測されます。
現代社会では結婚をせずに生きる事も堂々と選択する事はできますが、恐怖症の症状とは話は別なので、現在パートナーを作る予定がない人でも意識する必要があります。
完全克服できる可能性は未知数で、恐怖症と診断するのが難しい事から、治療法も手探りのままです。
英語ではTokophobia(トコフォビア)と表記され、患者数は世界中で見られます。
妊娠恐怖症の原因と症状
初めて妊娠や出産を経験する人がつわりへの不安や出産時の痛みや混乱を怖がる事は自然な事で、それによって妊娠恐怖症の症状が見逃がされていたり、社会的にも注目されにくい事が最大の難点と言えます。
しかし誰でも恐怖や不安を感じるものとして解決できる事ではなく、専門家による治療やカウンセリング、サポートが必要である事がイギリスのハル大学の研究者達によって指摘されています。
初めて妊娠や出産を経験する人だけではなく、過去に出産の経験がある人が恐怖症に陥るケースもあります。
最新の研究結果では妊娠や出産をネガティブに表現するSNS発信が原因の一つだという意見もありますが、逆にSNSでの体験談が克服のきっかとなるケースも否定できません。
症状としては望んだ妊娠にも関わらず中絶の道を選んでしまう例が多数報告されています。
また、女性だけでなくパートナーが妊娠する事に対して症状を表す男性もいる事が分かっています。
妊娠恐怖症への対処、克服法や注意点
妊娠や出産に対して恐怖を感じるからといって、女性として克服しなければならないかどうかという問題は別として、症状によっては妊娠の予定に関わらず治療を検討した方が得策と言えるでしょう。
他の恐怖症を合併・併発しないためにも、症状と向き合って治療をするかを決断する事は将来においても重要な事です。
パートナーと妊娠を望んでいるケースでは、まず相手に妊娠恐怖症の可能性がある事を伝え、理解と協力を求める事が克服への第一歩となります。
決して「誰もが不安で怖いから」という結論にならないように理解を求めましょう。
治療法としては体験談を多く取り入れる事による曝露療法(エクスポージャ法)の応用と言える技法がよく使われますが、妊娠や出産についてよく話し合う事や出産経験の話を聞く事で改善される可能性は五分五分で、逆に恐怖が増すリスクが増大するリスクがある事が懸念されています。
代わりに複数のペアで意見交換したり意見を共有する事によって不安が恐怖が軽減される事が実証されており、治療法として採用する医師も多くなってきています。
しかし妊娠や出産に対して明確なトラウマ体験がある場合はPTSD(心的外傷後ストレス障害)の疑いがあるため、個別で治療を進める事も視野に入れ、医療機関で医師の判断を仰ぐようにしましょう。
まとめ
妊娠恐怖症は通常感じる恐怖とは判別がつきにくく、まだまだ研究の余地が多い恐怖症です。
しかしもっと認知度を高める事によって悩む人を少なくでき、助け合うシステムができるのではないかと期待されています。
治療を開始する場合は必ず医療機関で受診し、医師やカウンセラーの下で治療に取り組む事が推奨されています。
あなたが妊娠恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。