新しい環境に飛び込む事は誰でも緊張するものですが、それが恐怖の対象となり限局性恐怖症としての症状が表れる人も存在します。
最近ではテレビ番組で取り上げられる事もあり注目度が高まりつつある恐怖症だと言えるでしょう。
このページでは新奇恐怖症の原因や症状、克服法について詳しく解説していきます。
新奇恐怖症とは?
悩む人の多さ:★★★☆☆
生活密着度 :★★★★☆
克服可能度 :★★★☆☆
総合危険度 :★★★☆☆
新奇恐怖症に悩む人の数は正確には把握されておらず、予備軍も含めると相当数になるのではないかと言われています。
程度にもよりますが完全に新しい環境を避け続ける事は難しく、社会生活に大きな影響をきたす事は間違いありませんが、症状によっては日常生活にも影響し、引きこもりの原因となる事が問題視されています。
完全に克服する事は比較的難しいとされ、まずは日常生活に支障がない程度にまで軽減させる事が治療の目的となる事が多く、完全克服の定義付けが難しい恐怖症として特徴的です。
英語ではNeophobia(ネオフォビア)と表記され、日本だけでなく海外でも見られる恐怖症です。
新奇恐怖症の原因と症状
未知のことに接する事に恐怖を覚える恐怖症で、初めて会う人や行ったことのない場所等が対象となります。
特に職場や学校などの新しい環境に身を置く時に症状を表す人がほとんどです。
先天性の場合は引っ込み思案な性格が原因と考えられる事がありますが、これは誤解である事が分かっています。
しかし原因としての要素は未だ特定できておらず、さらなる研究結果の発表が待たれているのが現状です。
後天的なケースでは過去のトラウマ体験が原因となる事が多く、対人恐怖症との合併例も指摘されています。
症状としては動悸や硬直、脈拍の乱れ、吐き気などがあり、重症時にはパニック発作に至る例も報告されています。
新奇恐怖症への対処、克服法や注意点
最大の注意点として、新しい環境に身を置いた経験が少ないと判断されてしまい、より多くの機会を与える事によって慣れさせようという間違った対処をしてしまう事が挙げられます。
特に学校に馴染めない子どもの場合はこのような対応を親がしてしまいがちで、症状の悪化を招くケースが後を絶ちません。
幼少期に症状が見られる場合は年齢を重ねると共に思春期を過ぎれば自然と克服できたというケースも確かにありますが、治療をするかどうかは医師やカウンセラーの判断に任せる方が得策と言えるでしょう。
総じて間違った対処をして裏目に出る事が多いので、周囲や家族の理解は非常に重要なものになります。
成人でのケースにおいても同様で、決して軽く見る事なく、症状が重くなる前に治療を事が推奨されています。
しかし医療機関という場所自体が新しい環境なので、自分から受診する人が少ないのは明白である事からも、周囲の協力や手助けは必須となります。
治療法には認知行動療法がスタンダードな手法として使われ、森田療法や認知再構成法などが組み合わせて試されます。
重症であってもよほどの事がない限り薬物治療が行われる事はありませんが、症状を放置して重症化する前に治療を行う事が勧められています。
まとめ
新奇恐怖症は新し環境や物事に対して恐怖を抱くのが特徴ですが、まだまだ分かっていない部分が多くあります。
間違えた対処をしてしまう事が多くみられる恐怖症で、環境によっては重症化するリスクが高まります。
独自の強引な治療は厳禁で、必ず医療機関で治療にあたるようにしましょう。
あなたが新奇恐怖症を克服できる日が来る事を心から願っています。